
awsを運用していくときにはきちんと必要項目の監視をして正常に動作していることを確認できるようなマニュアル作りをするのが大切です。
少しでもヒューマンエラーによるミスを減らすためには運用チェックリストを作成しておくのが効果的です。その目的と概要を理解した上で、どのような運用体制を整えるべきかを考えてみましょう。
運用では監視が必須事項

awsのサーバー側の運用で最も重要になるのは、そのサーバー上で行われている業務などが常に快適に実行されるようにすることです。クラウドサーバーとして割り当てられたディスクやメモリなどを最適な状態で使えるようにしていくとただ快適になるだけでなく、awsの利用料金も抑えることができます。
そのために必要な業務としてよく筆頭に挙げられているのがサーバー監視です。ここで言うところの監視はディスクやメモリなどの状態の取得を経時的にすることだけではありません。その情報に基づいて改善の試みをしていくことも意味し、その結果としてまた生じ得る不具合や誤動作を防ぎつつ、パフォーマンスを向上させられる可能性を探していくことを指します。
運用をする上で確かに監視は不可欠なものですが、運用は監視だけしていればよいというわけでもないので注意しましょう。バックアップを取ったり、リカバリやリストアをするための手順を整えたり、アプリケーションのアップデートをしたりするといった作業も必要になります。
セキュリティーの強化を実施することやシステムの冗長性を探して改善することのように定期的に実施する必要があることはかなりたくさんあるのです。これらを全てミスなくこなしていくことによってawsが理想的な形で稼働していくことになります。
監視の抜け落ちがあると障害リスクが高まる
監視が運用上とても重要なのは抜け落ちがあることによって障害リスクが高まるからです。監視によって問題が起こりそうな状況が見つかったときに速やかに対処をすれば障害は発生しません。例えば、トラフィックの混雑を緩和したり、ディスクが不足しているところへの割り当てを増やしたりして調節をすると障害を予防できます。
しかし、あるインスタンスのディスク状況を確認し忘れてしまい、たまたまそのときに不足が著しくなるとサーバーがダウンしてしまって利用できなくなるリスクがあるのです。このような問題が頻繁に起こるとは限りませんが、ユーザーの使い方次第でいつ起こるかがわからないので常に完璧な監視が求められます。
これに対してバックアップを取り忘れてもサーバーがクラッシュしたり、動作が停止してダウンしてしまったりすることがなければ特に大きな問題にはなりません。アプリケーションアップデートを忘れても快適な動作が一時的に保証されないだけで済む場合がほとんどです。
このように比較したときに、抜け落ちがあったときに大きなリスクが生じてしまう監視の重要性がより高いと言うことができるのです。
運用チェックリストの目的と概要
運用チェックリストを作成する目的は常に抜け落ちがないように監視などの必要業務を行えるようにすることです。実施した内容を一つずつチェックしていき、全て完了したのを確認するということを繰り返していくのが完璧な運用体制を作り上げることにつながります。
作業の途中でエンジニアが交代して引き継ぐ場合にも、何が既に終了していて、何が業務として残っているのかを瞬時に判断することが可能です。監視業務は引き継ぎが必要になることがしばしばあることに加え、障害発生があると増員されたエンジニアとの連携をするケースもあります。
その際に何が既に実行された後なのかがわかればどんな障害が起こっているか、どのような対処をすべきかを他のエンジニアも判断しやすくなります。基本的には運用チェックリストには監視項目をリストアップしていき、それぞれについて何を確認していくのかを明記していけば問題ありません。
それに加えて必要に応じてアップデートやセキュリティグループの確認などの追加業務を加えていけばリストは簡単に完成します。やるべき順序に合わせて上からリスト化しておくのが重要で、効率よく作業をしていけるようになります。
何が終わっているのかも一目でわかるのでフロー形式にしてリストを作成しても構いません。
チェックリストは更新が必須
チェックリストは一度作成したら終わりというわけではないので注意しましょう。運用をしているうちに障害が発生することもあり、その原因を追究してみると他にも監視しなければならない項目が見つかることもあります。
あるいはヒューマンエラーによる問題が発生した場合にも、どのような対策をするかを明確に決めて運用チェックリストに盛り込んでおくとリスクが下がるでしょう。また、簡単な対処については自動化していくこともでき、スクリプトが完成したらエンジニアが行う業務からは外すことが可能です。
このように状況は常に変わっていくので、それに応じたチェックリストの更新も定期的に行うようにしましょう。
運用時にはシステムに落とし込もう
このような運用チェックリストの活用をするときに重要なのが、システムに落とし込んで利用することです。チェックリストというと紙媒体やエクセルファイルなどにリスト化されていて、終わったものからチェックしていくという形を想像する人もいるでしょう。
しかし、それでは無駄な労力もコストもかかってしまうことは否めません。運用ツールあるいは監視ツールの中に盛り込んだ一つのシステムにすることを目指すのが合理的でしょう。運用チェックリストが表示されている状況下で作業を進めていき、その作業が完了した時点でリストにチェックが入るという仕組みにすれば間違いがありません。
そして、次にやるべき作業がハイライトされ、その作業を進めやすいようにガイドしてくれるシステムに仕上げておけば作業効率も上がるでしょう。このようなシステムの構築や改善も行いながら運用をしていけるエンジニアがいれば効率よく、かつ安心できるレベルで監視を代表とする運用を担ってくれると期待できます。
ミスを減らす仕組み作りをしよう
awsを快適に利用できる環境を維持するためにはミスなく監視できる運用体制を整えるのが大切です。運用チェックリストを作成することでチェックミスを防ぐことができるようになり、ヒューマンエラーによる障害発生リスクが低減されます。
リストの更新も含めてシステムにしてしまい、さらに自動化も進めてミスを減らせるようにしましょう。
参照元「CloudCREW - aws運用監視」https://managed.gmocloud.com/managed